大切な人に、手紙を書きませんか?~ラフレター~

明日、3月7日は、わたしの父の誕生日です。



60歳になります。



「おめでとう」って何度言っても、



もう「ありがとう」という言葉が返ってくることはありません。




4年前の3月7日、父は仕事先のロシアで倒れました。



クモ膜下出血。



幸い、息がある内に発見され、



医療設備が整ったオーストリアへと緊急搬送されました。




急いでオーストリアへと駆け付けたけど、



一足遅かった。




父は治療のため、仮死状態になっており、



わたしが滞在している間、一度も目を開けることはありませんでした。




生きているとは思えないくらい冷たい指先を触り、



病院へ行っては、ただ茫然と立ち尽く毎日。




脳が腫れ、細胞が破壊されていくCTを、病院へ行く度に見せられ、



言葉にならない絶望感でいっぱいでした。




ずっと同じ会社に勤め、



その生活の大部分を、海外で過ごしてきた父。




定年を目前に控え、これが最後の駐在。



終われば、日本でゆっくりと母と過ごす予定でした。




「たとえ死んでも、最後に日本に帰してあげたい」




母のひとことが、重くのしかかりました。





わたしたち父子は、仲が良かったとはとても言えません。




離れて暮らす時間が長すぎた。




日本にいる間も、いつも忙しかった父。



会話なんてなかったし、



言葉より、手が先に出る父でした。




わたし以上に父に反発していた姉は、



中学のときから、別の家で暮らしていました。



母は、父と姉の間にいつも挟まれ、



わたしの目には、すごく疲れているように見えました。




幼かったわたしは、



そんな父を憎み、



嫌い、



できる限りの距離を取ってきたように思います。




でもわたしも社会人になり、



父の苦労が、ほんの少し分かるようになった。




仕事で行き詰ったとき、



思い浮かぶのは、いつも一生懸命仕事をしていた父でした。




そんな矢先の出来事。




あの日。



4年前の父の誕生日。



朝、わたしは誕生日だってことを思い出しました。



メールしよう。



そう思ったのに、ちょっと後回しにした。



夜にでもメールすればいいや。



そう思った。



それが、一生後悔することになるとは知らずに。





夜、わたしは確かにメールしました。



「お父さん、誕生日おめでとう!



 相変わらず忙しいみたいだけど、体には気をつけてね!!」




でも、そのメールが、父に届く数時間前に、



父は倒れていました。




今でも、父の受信ボックスに、



未開封のまま、



わたしからのメールが読まれるのを待っています。




あの時、すぐにメールしていれば、



すぐにオーストリアへ発っていれば、



もっと話していれば、



もっと優しくしていれば。




後悔ばかり。






でも、父はちゃんとわたしたち家族の願いに応えてくれました。



生きて、日本に帰ってきてくれました。



死を覚悟して乗せた医療用ジェット機。



同乗し、見守る母と医師と看護師。



途中給油をしながらの長い旅路。



そのまま病院へと搬送され、



すぐに治療が開始されたけれども、



命の火はちゃんと消えずに、日本に帰ってきてくれました。




ありがとう。




言葉が話せなくても、



体が動かなくても、



わたしのことが分からなくても、



それでも生きていてくれて良かった。




心から、そう思います。




「おめでとう!」って言っても、



言葉では返ってこない。




でも、きっと伝わっているのだと信じてます。





わたしは、そんな大切な父に、



初めて手紙を書きました。




ずっと言えなかった言葉。



直接言うと恥ずかしくて、照れちゃう言葉。




でも、心の中にあって、



伝えたいと思っていた言葉。




後悔してほしくないから、



本当はちゃんと大切な人に、直接伝えてほしいとも思います。




でも、それがちょっと難しいなら、



まずはあなたの思いを、"文字"という形で、言葉にしてみませんか。




先日お会いした手塚真輝さん



彼が主宰しているラフレター




大切な人になかなか伝えられない素直な思いを、



みんなが綴っています。




今度、このラフレターが本になるそうです。



真輝さんのブログに、その思いが書かれているので、ぜひご覧になってください。





30年生きてきて、色んな事がありました。




19歳のとき、友人が殺害されました。



25歳のとき、父がクモ膜下で倒れました。



29歳のとき、大好きだった人が亡くなりました。






どうか、後悔しないでほしい。



大切な人に、ちゃんとその思いを伝えてほしい。



そう願っています。




あなたと、あなたの大切な人を結ぶキッカケになれば、



それ以上に嬉しいことはありません。






ラフレターへの投稿はこちらから。



コメント

  1. emi より:

    SECRET: 0
    PASS:
    胸が苦しくなりました
    人にはいろんな過去があり、
    それを乗り越えるのは
    未来の自分なんですね
    父のいない私でも父に手紙を書いてみたくなりました

  2. Licca-811号 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    私も肉親の最後の日は、なぜか間に合わなかった。いつも棺の中での対面。

    一番辛かったのは、弟の時でした。
    病気を発症してから後数年の命。と予告は受け家族全員、何時天国へいっても、覚悟をしていた。

    ですが、何度も危篤状態を起こし、その度に帰郷すると
    私が空港から病院に直行して病室に駆けつけると、安定してて声をかけると、アイコンタクトやうなづいたり・・・。

    その繰り返しが続いて、東京に戻るたび飛行機の中で、ブランケットを頭からかぶり号泣でした。

    で、私が33のとき離婚し一ヶ月も立たないうち
    深夜に妹から、メールで「天国へ行っちゃった」て
    連絡が入って、直ぐに駆けつけたいけど真夜中。

    飛行機も飛んで折らず、朝一の飛行機で実家へ。
    真夏の沖縄なので、腐敗が早いのですぐに出棺する手配をしている。

    と聞いて腐敗が進んでも最後に話させて!と
    兄弟や親戚中にお願いして、レンタカーを飛ばして帰って、穏やかな顔した弟を顔みて
    「ごめんね。ありがとう。」この言葉しか思い出せませんでした。

    母と久しぶりに枕をならべて、「弟がいたから
    自分たちは、色んな苦難を乗り越え、いろいろ教えてもらったね。弟もありがとう。ていっていると思う。」て

    母が憔悴している背中を涙をこらえ背中をなで、
    また、一通りの法要が終わり東京に戻るときも
    飛行機の中で号泣。

    そのときのCAが、声をかけてくださり、
    がら空きの後部座席のほうへ案内してくれて
    着陸するまで、いろいろとさりげない心遣いをして
    くれてたのを覚えてます。

    そして、とても辛いことがあると、弟と母を思い出します。生きる力の礎ですね。

    この家族でよかったと感謝してます。

    吉川さまも、あの時、あの時という気持ち
    物凄く手に取るように理解できます。

    でも、家族とは言えそれぞれあるから、それに対して、むしろ先に天国に行く人も最後は感謝していると母は思う。ていってます。

    月並みですけど、魂は心の中に生きてますからね。

  3. ゆきちゃん より:

    SECRET: 0
    PASS:
    吉川さんのブログでいつも元気をもらっています。今日は感動して涙が止まりませんでした。

    今日、3月7日。

    偶然にもうちの父も誕生日です。

    でも、うちの父も「おめでとう」って何度言っても

    もう「ありがとう」という言葉が返ってくることはありません。

    去年、突然亡くなりました。
    本当に突然でした。

    あれから、ずっと後悔ばかりで・・・乗り越えられていません。

    大切な人に・・・ラフレター書いてみようと思います。
    ありがとうございました。

  4. nori より:

    SECRET: 0
    PASS:
    うちの父も、同じ誕生日だよ。
    もう、75になりました。
    いつ何が起こってもおかしくない年だから
    後悔しないように、感謝をこめて
    こまめに連絡していきたいと思います。

    今のところPCのヘルプデスクみたいなもんだけどね^^;
    それくらいのことであれば!

  5. SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとうございます。

    昨年、友人が亡くなったとき、たくさんのブロ友さんからメッセージをいただきました。

    その時、わたしもemiさんと同じことを感じました。

    みんな、必死に毎日生きて、必死に色んな過去を乗り越えてるんですね。

    ぜひ、emiさんもラフレター、投稿してくださいね。

  6. SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとうございます。

    >むしろ先に天国に行く人も最後は感謝していると母は思う。

    すごく救われる言葉でした。ありがとうございます。

    たくさん後悔もあるし、たくさん悲しい思いもしたけれど、同時に大切なこともたくさん教えてもらいました。

    弟さんのこと、書いてくださり、ありがとうございました。本当に辛い思いをされたと思います。でも、それを感謝で表現できるLicca-811号さんのご家族は素敵です。

    たくさんのことを学ばせて頂きました。

  7. SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとうございます。

    同じ誕生日なのですね。

    大切な人が突然いなくなる。その事実は本当に悲しいし、後悔ばかりが胸を締め付けますね。

    そんなことは亡くなった人も求めていないと分かっていても、受け入れるのに時間が掛かるのは当然だと思います。

    きっと、乗り越えることなんてできないのだと思います。乗り越えなくても、大切な方への想いを、少しずつ「感謝」に変えていきたいですね。

  8. SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとう。

    同じ誕生日だったんだね。知らなかった。

    noriちゃんを大切に育ててくれたお父さんだから、本当に大事にしてあげてください。

    そういえば、このことがあったから、ABへの復帰が1ヶ月遅れたんだよね。今、思い出しました。

    いつでも伝えられる距離だから、逆に伝えられなかったりするよね。

    どんなに頑張っていても、何か起きたら必ず後悔ってするもんだけど、それでもできる限りのことを「今」してあげてください。

  9. Licca-811号 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >パーソナル起業プロデューサー 吉川聖弓さん

    こちらこそ、ありがとうございます。
    吉川さんが、辛かった事をブログで発信してくれて、私もあらためて辛いことから逃げてはいけないと思いました。

    今年は弟の法要で数年ぶりに帰郷するので
    直に、母と弟に感謝の言葉をいっぱい伝えたいと思います。

    ありがとうございました。

  10. SECRET: 0
    PASS:
    おはようございます。

    ラブレターとは異なりますが、あたしもあたしのブログに「玲瓏玲奈物語」を書きます。

    吉川さんに似たような感じかなと思います。

    女の子のあたしへのラブレターですね。

  11. SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとうございます!

    玲奈さんの物語、拝見していますよ。

    >女の子のあたしへのラブレター

    ステキです。
    玲奈さんらしく、綴ってください^^

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